3.「3.0」世代に伝えたい、これからの生き方
(1)必要なのは「1歩を踏み出す力」
『アナザースカイ』や『情熱大陸』など、何かを成し遂げた人のヒストリーを追うテレビ番組があります。
これらを見ていると「メンタル強すぎ、俺とは違う世界の話だ」と引いてしまうことがありますが、俗に言う「メンタルの強い・弱い」は存在しないそうです。
あるのは、物事をどう捉えるかの、価値観の違いだけ。
成功する人に必要なのは、基本的にはたったひとつの要素です。
それは、恐怖と対峙したときに、たった一歩を踏み出す力があるかどうか。
やったことのないことを「やってみよう」と思えるかどうかです。
1回やってみて、ダメならやめればいいのです。
やってみることもせず「無理だと思います」とあきらめるなんて、「お前は超能力者か」と思います(笑)
1日1歩でも、1年で365歩。
365歩と0歩では大きな違いです。
成功している人を見るとどうしても「あいつは金があるからだ」「もともと頭がいいんだ」と思ってしまいがちですが、そうではありません。
違いは「小さなことに大いなる価値を見出す力」、つまり小さな1歩を踏み出せるかどうかなのです。
(2)「3.0」世代のモチベーションとは
「あなたは何をしに生まれてきたの?」。この問いに答えられますか?
答えがないのは、マラソン大会で言うと、方向も距離も期限も決まっていないのに走り続けているようなもの。
だから、この質問に対する自分なりの答えを持ちましょう。
あまり考え込まず、インスピレーションで決めたほうがいいです。
今、20代の子に「あなたの夢は何?」と聞くと、みんな「自由になりたい」と言います。
でも、自由とはバリ島でダラダラ暮らすことではありません。
自由とは、自分で選べる幅が広いということです。
今の若い人は、仕事が嫌いな人はいません。
ただ、上からごちゃごちゃ言われるのが嫌い。
そして、お金では動かない。
上の人に殴られて「この野郎」と思うことがモチベーションになることもない。
むしろ、すぐにパワハラで訴えることでしょう。
この「モチベーション3.0」世代の「にんじん」、つまり働く動機になるのは、仲間と旅、そしてコントリビューション=社会貢献です。
「私は何をしに生まれてきたのか」の問いに答えられないから、せめて人の役に立ちたいと思うのでしょう。
ボランティアに行く若者も多いですよね。
でも、ボランティアに行くのにもお金がいる。
これらを成し遂げるためには、やっぱり経済力が不可欠なのです。
(3)「お金」と「自由」を手に入れるための働き方
これからの働き方として欠かせないキーワードが、働く場所や時間を問わない「ノマドワーク」。
プログラムはインド人、インターフェースはベトナム人、ライティングは岐阜の人…といったように、ネット上でスキルを集める「クラウドソーシング」、そして、出勤せずに仕事をする「リモートワーク」です。
今の人は、お金で幸せになれないということを知っています。
「欲がない」と言われる「草食系」という考え方自体、古いものになっています。
前述のとおり、価値の比重は「モノ」から「コト」に移っており、旅に出て、友達と思い出をつくることのほうが大切なのです。
お金で幸せにはなれないけれど、お金は必要。
英語圏を旅すると、「ファイナンシャルフリーダム」という言葉をよく耳にします。
これは、不動産の家賃収入など不労所得が毎月の生活費を上回っているため、資産が減少することなく、精神的な不安から解き放たれ、自由を勝ち得た人のことを指すそうです。
お金を得るための「収入」には3種類あります。
まずは「労働収入」、これは会社に行けばもらえる安定した収入のことで、衣食住にいちばん向いています。
そして、土日に遊んでいる暇があったら「成果収入」の獲得を目指しましょう。
誰にでもオススメなのは「メルカリ」。
稼ぐことよりも、商売の感覚を養うのが目的です。
写真やタイトルのつけ方、買い手との交渉などで感覚が磨けます。
そして3つ目が「資産収入」。
印税、ロイヤリティ、権利収入とも言われます。
これは、体が動かなくなる50歳以降で始める人が多いのですが、みなさん「もっと早くやっておけばよかった」と思うようです。
やりくりというのは、収入から支出を差し引き、その残りが資産、使いすぎれば負債となっていきます。
でも、これは収入という枠の中の話。
「稼いで、なくなる」の繰り返しから脱したいのであれば、枠を広げればいいのです。
稼いだお金を資産に変える、つまり投資行動です。
とはいえ、何も私は「株を始めよう」などと言いたいわけではありません。
みなさんにまずお伝えしたいのは、「時間ぐらい投資しようよ」ということ。
私が推奨しているのが「24時間分割意識生活」。
1日24時間のうち、仕事が8時間、睡眠が6時間、食事や身支度など生活に関することに3時間、これは削ってはいけません。
でも、残り7時間は誰でも確保できるのです。
7時間あれば、毎日映画を3本見ることができます。
この時間を意識すれば、人生を2回楽しんでいる計算になります。
これは、努力ではなく意識の問題です。
(4)人生を最高にする3つのポイント
ここからは、人生を最高にする3つのポイントをお伝えします。
1つめは「質問力を上げる」です。
フェラーリを買う方法を考えてみてください。
「死ぬほど働く」「盗む」「宝くじを買う」など、いろいろな答えが出ると思いますが、いちばん確実なのは「買った人に、どうやって買ったかを聞く」ではありませんか?
坂本龍馬には勝海舟、伊藤博文には吉田松陰と、偉業を成し遂げる人には必ずメンターがいたように、「考えないで(誰かに)聞く」というのは、成功に至る道筋として、とても大切なのです。
そのために、知りたいことを知るための「質問力」を磨きましょう。
2つめは、やったことがないことをやる=「ないやる」です。
いつもの仕事、いつもの彼氏、いつもの食卓は心地がよいものですが、人生最大のトラップがここにあります。
最高な人生にしたいのならば、そこに安住していてはいけないのです。
起業する、転職する、しょうもない恋人と別れるなど、新しいことをしようとすると、不安でいっぱいになります。
でも、この不安が、「うまくいっている」サインなのです。
筋トレと一緒で、負荷をかけないと新しい筋肉ができないように、人も成長できません。
安住の地からはみ出し、ストレッチゾーンに足を踏み入れると、心臓が急にバクバクして拒否反応が出ますが、それでいいのです。
最高、ベストはそこにこそあります。
失敗のない人生を送っている人は、人生で成功できません。
成功は失敗した先にあるものなので、成功の反対言葉は「失敗」ではなく、「何もしない」事なのです。
そして、3つめが「今やる」です。
人によって価値観が違うので、「すぐ」ではいけません。
「今」やらないと、未来は変わりません。
(5)身を置いた環境で、結果が変わる
複数のメトロノームを同時に動かすと、何分かするとすべてのメトロノームが同期し、一定の動きをするという実験があります。
しばらくすると環境に馴染むというのは人間も同じであり、「どのメトロノームに入るか」が重要なのです。
志を上げてみましょう。
はじめは、新しい環境に違和感もあるでしょうが、しばらくすると同期している自分に気づくはずです。
松下幸之助は、「成功とは成功するまで辞めないことである」と言いました。
未来の自分と遭遇するには、誰かと「会う」だけでなく、「会い続ける」ことが大切です。
同様に「見続ける」「聞き続ける」「行き続ける」こと。
ちなみに、「決意を新たにする」というのは、最も意味がありません。
本当に変えたいのなら、「今度こそ」ではなく、「今すぐ」に動いて、環境を変えてしまうべきなのです。
まずは、タイムマネジメントから始めましょう。
手帳に、赤でプライベート、黄色で仕事、青で新しいことに費やす時間を書き出し、少しずつ青の時間を増やすようにマネジメントしていきましょう。